こんにちは、ボイストレーナーのコエです♩指導歴𝟏𝟎年。これまでに初心者からプロまで𝟒𝟎𝟎人以上の方のレッスンを担当してきました。私のプロフィールはこちらからどうぞ。
カラオケに行った時、人前で歌を披露する時、「憧れのアーティストのように、ビブラートをかけて歌えるようになりたい!」という方は多いのではないでしょうか。
「ビブラートができない〜」「ビブラートってどうやるの?」とお悩みの方は必見。
こちらの記事ではビブラートや、その出し方について解説します。
・ビブラートのメリット
・ビブラートができない原因
・ビブラートの練習方法とコツ
・ビブラートの練習におすすめの曲
練習方法とコツも後述していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ビブラートとは?
ビブラートとは、音を伸ばしている部分を、波のように揺らして歌うテクニックです。
ボーカリストの表現により、音の揺らし方は大きく異なります。
また、ビブラートをかけている時の感覚も人によってそれぞれです。
私は元々はビブラートができませんでしたが、めっちゃ練習してできるようになりました◎
ビブラートのメリット
やはりビブラートの一番のメリットは、表現の幅を広げられることだと思います。
フレーズ終わりの余韻で細やかにビブラートをかければ少し切なげに聞こえますし、曲の一番の盛り上がりどころにビブラートをかければ、より壮大に聞こえるでしょう。
また、激しい曲の場合には、より感情的に。ゆったりした曲であれば、耳馴染みが良い、心地の良いメロディーに。
ビブラートと言っても、その中にも、いろいろな表現方法があります。
ビブラートのかけ方が、ボーカリストのカラーになると言っても過言ではないでしょう!
音の揺らし方や、強弱のつけ方で、全く印象が変わることもビブラートの魅力の一つだといえます。
ビブラートの仕組み
ビブラートは、声帯や呼吸筋の絶妙なコントロールにより生み出されます。
声帯が振動する速度や、息の強さを微調整することで、音に揺れを加えることができます。
- 呼吸
- 共鳴
- 音の高さを一定の幅で上下に動かす
この3つのバランスが整い、はじめて心地よい、音の波が生まれます♩
最初は、「横隔膜」「唇」「喉」など、特定の部分で音を揺らす意識を持ち、感覚を掴む方法もいいと思います。
ビブラートの出し方・練習方法
ビブラートの感覚を掴むための、練習方法です。
ぜひ、おためしください。
声に強弱をつける
声に強弱をつけて、音を揺らします。
・「あぁ」と発音します。(何かお願いされて、承諾するときのイントネーション)
・繰り返します。「あぁ」「あぁ」「あぁ」
・繋げます。「あぁあぁあぁあぁ〜」
一番リラックスできる音の高さで練習しましょう。
音を上下させる
半音違いの2音を上下させて、音を揺らします。
・あ〜(↑)あ〜(↓)あ〜(↑)あ〜(↓)あ〜(↑)あ〜(↓)
ピアノで音とりしながらだと、わかりやすいです。
最初はゆっくりで、慣れてきたらテンポを上げていきます。
ドリブルを打つ
バスケットのドリブルのごとく、手を上下に動かし、その動きに合わせて「あぁあぁあぁ〜」と声を揺らします。
・細かい波を作りたい場合・・・手の振り幅を狭く、素早く
・大きい波を作りたい場合・・・手の振り幅を広く、ゆくりと
手の動きに合わせて音を揺らすので、視覚的に波の大きさを感じることができます。
ビブラートの感覚・コツ
リラックスした状態を保つことが、ビブラートをかけるための一番のポイントだと考えています。
また、以下2点を意識することで、音の波はより安定します。
- 声を当ててる部分(響いている場所)で、音を揺らすこと
- 曲のテンポを感じつつ、心地よく体を脱力させること
これは私の感覚ですが、ビブラートをかけている時は、本当にどこにも力が入ってない楽な状態です。
NGなビブラートの種類
- 音が分裂しているように聞こえる(例:ヤギの鳴き声「メェェェェ」)
- 波が大きすぎる(例:救急車のサイレン)
- 波の大きさが不規則で、フレーズに馴染んでいない(例:叫び声?「あぁあぁぁぁぁぁあぁあぁぁあああ」)
「音を揺らすことが目的」になると、このような状態になりやすいので要注意。
「テンポ・リズム・メロディ」と「音の波」に、一体感があると自然なビブラートに聞こえます。
ビブラートができない原因
ビブラートがうまくできない原因はさまざまですが、主な要因は以下の通りです。
声帯のコントロール
ビブラートは音の高さを上下に変えて、伸びている音に波を作るテクニックです。
そのためには、声帯の柔軟な動きが必要となります。
声帯がうまく機能していない場合には、ビブラートの安定した波を作ることは難しいです。
からだの力み
発声全般に言えることですが、からだが力んでいる場合には、声は安定しません。
力みがあると、筋肉が適切に機能せず、呼吸が浅くなったり、声の通り道を狭めてしまうからです。
この状態でビブラートをかけようとすれば、もちろん波も不安定になります。
どうしてもできない場合には、発声の基礎練習が不足している可能性もあります。
ビブラートの練習曲を選ぶ時のポイント
以下、ビブラートの練習に適した曲の特徴です。
- ゆっくりのテンポの曲
- ロングトーンが出てくる曲
- 自分が歌いやすい音域の曲
キーが高い場合には、ご自身の音域に合わせて下げて練習してくださいね♩
ビブラートの練習におすすめの曲
ビブラートの練習におすすめの曲は、以下の通りです。(敬称略)
男性歌手の曲
・森山直太朗「さくら」
・ゆず「栄光の架け橋」
・コブクロ「蕾」
女性歌手の曲
・中島みゆき「糸」
・夏川りみ「涙そうそう」
・MISIA「Everything」
まとめ
歌唱表現の幅を大きく広げる「ビブラート」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
習得することで、歌うことを更に自由に楽しめるようになるはずです。
できない原因や練習方法を知ったのであれば、あとはトレーニングあるのみ!
しかしながら、お一人で練習する場合には、誤った癖を身につけることも。。。
また、適切なトレーニングの選択が難しかったり、時間がかかってしまうケースがほとんどだと思います。
ボイストレーニングはプロの指導のもと行うことがおすすめです!
・正しい歌唱テクニックや呼吸法を学ぶことができる
・自分の目標やニーズに合わせたトレーニングを受けることができる
・定期的にフィードバックを受けることで、トレーニングのモチベーションを維持することができる